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100321 川柳ワークショップ 所見2

100321 川柳ワークショップ 所見2 published on 100321 川柳ワークショップ 所見2 へのコメントはまだありません

作成 前原寿代

前日の川柳講座に参加していたこともあり、朝、入り口で参加者の方たちと挨拶を交わした。もし、昨日の講座がなかったら、どんなスタートになったのかが気になった。

それでも多少の距離はある感じの会場。参加者は入り口付近に固まって立ち話をしている。名札を書くように伝えても、なかなか動く気配がない。・・・少し心配。
『ぱいぱい』のあだ名で和んだ。けいさんが『ぱいぱい』のあだ名を呼ぶことで、会場の雰囲気もとたんに和んだように感じた。

川柳教室(?)に参加する子ども達も時間が来るまで同じ場所で待つことに。ウォーミングアップに待っている子供たちを入れたのは良かったと思う。

大人の参加者は、ノリが良くて面白かった。アイデアもたくさん出てきた。ただ、たくさん出てくるアイデアをどうまとめたらいいのか、最初のうちは戸惑った。

放哉カードを使ったワークでは、言葉を形にする体験ができて、面白かった。声の方向、形。また、体におこしてみることで、声・言葉の表情が変わっていく。参加者も、スタートは戸惑っていたが、やり始めるとそれぞれの表現に夢中になっていったように思う。人に向かって読むところでは、じゃれる参加者がいて、少し子供っぽい印象を受けた。

グループワークでは、まず、どの歌を選ぶかで話し合った。話し合いの内容は、面白そうなものを選ぶか、綺麗そうなものを選ぶか。話し合った結果、表現したら綺麗そうなものになった。

参加者は積極的に意見を出してくれるので、特に問題はなかったように感じた。

出来たものの始めと終わりを決めるところでは、いろいろなイメージが出て、どうまとめたらいいのか戸惑った。けいさんに促されて、それぞれのアイデアを集めて、表現することにした。話し合いに時間がかかったため、全体を作ることで精一杯だった。もう少し時間が欲しかったけど、全体は出来ていたので、あのタイミングの発表でよかったと思う。

発表後の講評が良かった。どんな風に見えているのか、どんなところの工夫が良かったのか言葉がけをもらえ、達成感と充実感を得られたように思う。

休憩後は、午前中の参加者が1名減り、新しい参加者が2名増えた。
名札用のガムテープがひとつしかなかったので困った。

午前中からワークに参加している人たちは、なんなくこなしていたが、新しく参加した人たちは、少し戸惑っている様子だった。長谷さんの声かけで、言葉を体で表現していくことが出来たようだった。

グループワークに入ると、午後からの参加者もまるで午前中からいたかのように馴染んでいたので良かった。

子供たちの歌から場面を作るのはとても楽しい作業だった。

午前中の体験があったので、参加者も難なくやれたように思う。

歌を二枚使うことで、意外性や場面の奥行きが出来て面白かった。

長谷さんのアドバイスを受けて、それぞれの作品が引き締まっていくのを感じた。

発表では、見てくれる子供たちが少なかったのが残念だった。
でも、楽しんで見てもらえたようなので良かった。

全体を通して、参加者の集中力の凄さ、アイデアの豊富さ、また、表現することに対する抵抗の低さにビックリした。ワークを体験することで、川柳や俳句という歌の文化は、日本人の中に確かにあるように感じた。体験を通して、日本文化の素晴らしさに気づくことが出来て良かった。また、川柳や俳句に興味がわいた。短い歌の中の世界観を一人ひとりが、独自の感性で創造し、読め、表現できることの面白さ、奥行きの深さを体験でき、充実した一日を過ごせたように思う。

100321 川柳ワークショップ 所見1

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作成 川口大介
高千穂(宮崎)

西舞鶴に続いての、川柳を使ったワークショップ。
西舞鶴と同じことをやるプログラムではありましたが、時間が一日しかなく、時間が3分の2しかないため、講師も慎重になっていました。しかし、ワークショップに参加する方が、川柳指導者養成ワークショップで実際に川柳を作っていること、前日のワークショップ(講義)に参加できたことは大きなプラス要素でした。
午前中、参加者が集まり始めましたが、こちらの予想より人数が少なく、途中で人数が増減するような状態に少しやりにくさを覚えました。
ガイダンスに入り、参加者の雰囲気が非常によかったので少し安心しました。
ウォーミングアップに入り、その雰囲気のよさが私語などにより悪影響を及ぼした場面もありましたが、基本的には、友達同士の遊び、のような感覚でワークを楽しみ、徐々に悪い部分も消えていきました。
尾崎放哉の自由律俳句を使ったワークに入ってからは、真剣に自分と俳句に向き合い、それぞれが一生懸命に取り組んでいました。ただ、初見読みと再読みの違いが少なかったので、グループワークをすることに対して、少し不安になりました。
グループでの身体化に入ましたが、最初はあまり意見も出ず、動き始めるまでに時間がかかりそうな雰囲気でしたが、少しヒントを提示すると、そんな不安が消し飛ぶほど順調に進みました。私も前回の西舞鶴での教訓を活かしスムーズにグループリードが出来たと思います。グループ発表で2チームが見せ合ったときも、参加者同士の仲のよさが好影響を与えいい雰囲気で午後の創作に繋げられました。
午後からは、子どもの作った川柳を身体化していくワークでしたが、午前中でコツを掴んだのか、スピーディーに進んでいきました。ブラッシュアップするたびに問題をクリアし、いい表現になっていきました。参加者の中から『見てくれる人に、より良いものを見せたい』と声が出たときは、驚き喜びました。
発表も順調に行われ、子どもからも感想をもらい、チームで見せる喜びをシェアできました。
全体を通して、参加人数が少なく入れ替わりが度々起こるなど、状況としては良くはなかったのですが、参加者の積極性と仲の良さに助けられカバーできたように思います。ワークの進行も、参加者のペースに合っていて、有意義なワークショップになったと思います。
これからも継続していくべきワークショップである、という想いは益々強くなりました。

20100321 高千穂川柳指導者養成ワークショップ 記録

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場所 高千穂町 中央公民館・和室
メイン講師 長谷基弘
コーディネータ 伊藤馨
講師 川口大介 前原寿代 工藤研太

参加者 合計8名(午前までの参加が1名、午後からの参加が2名)

9:50
開始
ガイダンス

9:55
ウォーミングアップ(やすみりえさんの川柳ワークショップに参加する子供たちが5名参加)
円陣であぐらをかいて
両肘を床に突いて手を前に伸ばす
両肘を床に突いて「うにゃー」と声を出しながら手を前に伸ばす
右手をグーにして右ももを叩きつつ左手はパーで左ももを摩り、合図で左右入替える
足の指の付け根を持ち、足首を回す

ランダムウォーク
決められたエリア内を隙間の無いように歩く
合図で二人組みを作る

10:05
1・2・3ゲーム
交互に「1」「2」「3」と言っていく
「1」のかわりに手をたたく。「パン」「2」「3」となる
「2」のかわりに足を踏み鳴らす。「パン」「ドン」「3」となる。

10:10
ランダムウォークから二人組み
フローズンピクチャ
二人組みで指示した1つの物体になる
「扇風機」
「壁掛け時計」
「メガネ」
「スポーツカー」

二人組みで指示した2つの物体になる
「鉛筆・消しゴム」
「黒板・黒板消し」
「ワイングラス・ビールグラス」
「メガネ・サングラス」
「ラーメン・うどん」

四人一組で指示した1つの物体になる
「海老」
「高千穂峡」
「冷汁」

10:25
休憩

10:40
尾崎放哉カードを使った言葉の身体化のエクササイズ
円陣で座り、カードを配る配られてもまだ見てはいけない。
句以外の言葉を発してはいけない。
ひとりずつ順番に初見で読む。
言葉がおさまったら、次の人が読む。を繰り返し全員が読む。

言葉の身体化
配られたカードを持ち、指示の通りに読む。
出来る限り小さな声で読む
歩きながら、なるべく小さな声で読む
立ち止まって指示されたものを指差しながら読む。
距離感を意識して、誰かに向かって読む。人が読んでいるのは聞かなくて良い。
自分で決めた物体に向けて、言葉を染み込ませるイメージで読む。
部屋の中の色んな隙間に向かって読む。
句の中から選んだ一つの単語を声に出しながら丁寧に触る。
句全体を区切りながら丁寧に自分の納得いく形にしながら読む。納得いく形が出来てきたら通して読む。

再度、円陣になり読む。
感想を言い合う。
*初見で聞いたときよりも尾崎放哉の寂しさが伝わってきた
*何度も繰り返して読んでいると、自分の体の一部になったような気がした
*読み手の呟きの様に聞こえた
*体を使うことで自分の言葉になった
*自分が詠んだ句のような気がした

11:40
グループ創作 2グループに分ける(せれぞれのチームにアシスタント3名も参加)
グループで代表の句を1つ決める
30秒程度のシーンを作る
必ず一回だけ句を読む
句以外の音を出してはいけない

前原グループ「鳳仙花の実をはねさせてみても淋しい」

川口・工藤グループ「墓地から戻ってきても一人」

発表
前原グループ 四枚の花びらが中心に集まってくると実になり弾け飛ぶ。弾け飛んだところで一人が「鳳仙花の実をはねさせてみても」、他の三人が「淋しい」。

*華やかで淋しい。

川口・工藤グループ 墓地には風に揺れる柳があり、墓参りを終えた男が立っている。男は家に帰ってくると、暖炉で手を温め横になる。そこで男が句を読む。

*広範囲の風景を表現している。

ステップアップ

1分程度の場面にする。
始まりと終わりを意識して作る。

前原グループ 四枚の花びらが集まると実になり、一つずつ弾け飛ぶ。四つの実が弾け飛んだところで一人が「鳳仙花の実をはねさせてみても」、全員で「淋しい」。すると実が一つずつ消えて、一人だけ取り残され、座り込む。

*花が実になり、実が四人の淋しい人になり、四人の淋しい人が一人の淋しい人になるという切れ目の無い移り変わりが良かった。淋しさが積み上げられていった。

川口・工藤グループ 墓地には風に揺れる柳があり、墓参りを終えた男が立っている。男は家に帰ってくると、暖炉で手を温め横になる。そこで男が句を読み眠りにつく。すると墓地の墓、柳が家に入ってきて料理をする母やはしゃぐ子供たちとなる。子供と母が外へ出て行きしばらくすると男が目を覚ます。暖炉に息を吹きかけて火を消すと、男も外へ走り去っていく。

*音(男にとっての日常の生活音)を動きで表現できたのが良かった。

11:50
昼休憩

13:05
午後の部スタート
ウォーミングアップ
指の運動
手足ブラブラ
ランダムウォークからフローズンピクチャ
「上」「中」「下」の指示に合わせて体で表現する
指示された単語+「上」「中」「下」のイメージを体で表現する
「川」
「そよ風」
「お日様」
「焚き火」
「クリスマス」
「もちつき」
「春の訪れ」
「友情に亀裂」
「青春の輝き」
「お祭り」
「自動販売機」
「夏の思い出」

合図で二人一組
二人で一緒にランダムウォーク
ペアで「上」「中」「下」の指示に合わせて体で表現する
ペアで指示された単語+「上」「中」「下」のイメージを体で表現する
「台風」
「願い」
「海水浴」

13:20
チーム名決め 「うまキンカン」 ステファニー、ポム(15:00頃から)、リンダ、まえっち、くどー
「いちご犬」  ぱいぱい、マガジン(14:30まで)、ミツコ、あっきー、ぐちゃ

13:23
午前中のやすみりえさんのワークショップで子供たちが作った川柳をチームごとに味わう
うまキンカン・・・「お外はね 風がザワザワ笑ってる」
いちご犬・・・「そよ風が山といっしょにあはははは」

13:25
30秒程度の場面にする

13:35
発表&講評
うまキンカン・・・形、動きが綺麗。
いちご犬・・・「あはははは」が全員揃っているのが面白い

*両チームとも人間の視点をプラスすると良い。

1分程度の場面にする

13:50
発表&講評
うまキンカン・・・ダイナミックな感じ、部屋の中と外が分かれているのが良い。外に出て行きたくなりそうな風を意識する、全体的にコンパクトにすると良い。

いちご犬・・・読み方が変わったのが良いが、いっそのこと声を高くしても良い。山が風に吹かれて揺れているのが良いが、もっとデフォルメしても良い。

13:55
休憩

14:00
句を追加する
うまキンカン・・・「写真から笑顔を見せる地縛霊」
いちご犬・・・「外に出て意外と寒くて微笑する」

14:05
話し合い

14:10
最初の川柳と合わせて追加された川柳も身体化する

14:15
発表&講評
いちご犬
中盤の風が遊んでいる場面からお茶を飲んでいる場面への移り変わりが美しい。
もう少し二つの川柳の間の意味的なつながりが見えると良い。

うまキンカン
物語性が強くなっていた。
動きをわかりやすくすると良い。

14:25
5分間ブラッシュアップ

14:30 *マガジンが早退
発表の流れの説明
子どもたちが作った川柳を一人一句ずつを読んで、創作場面の発表をする。
子供たちは前日大人たちが作った句を身体化して発表する。

子供たちの句を
チームで円陣になり回し読み
立ったまま出来る限り小さな声で読む。
手をぶらぶらさせながら読む。
肩の力を抜いて体を振り回しながら読む。
歩きながら読む。
距離感を意識して誰かに向かって読む。人が読んでいるのを聴かなくて良い。
指示されたものを指差しながら読む。
声が形を持ったものとして物体にぶつかることを意識して読む。
川柳を自分の納得いくまで形にしながら読む。

再度、チームで円陣になり回し読み。感想があれば言い合う。
*ポムがうまキンカンに参加

14:45
発表形式でリハーサル&講評
いちご犬
ぐちゃが二つの川柳を通して同じ人物だと分かったほうが良い。
山がはっきりと山であることが分かったほうが良い。

うまキンカン
ポムが加わることでもう一ひねり欲しい。
演じてる最中は面白くても笑わない。

14:55
ブラッシュアップ&休憩

15:10
発表
子供チーム、チームいちご犬、チームうまキンカンの順で発表。

子供チーム
身体表現
「七夕の願いいろいろ紙の色」、「すごいなあ これ一枚でできてるの?」
感想
願いを書いている姿、ぶら下がっている姿がかわいい。
二つ目の川柳でライオンが出来ていく過程が見えて「これ一枚でできてるの?」に繋がった。

いちご犬
朗読
「外に出て意外と寒くて微笑する」
「やまびこと青空いっしょに笑ってる」
「お外はね 木がゆっくりと笑ってる」
「そよ風が山といっしょにあはははは」

身体表現
「そよ風が山といっしょにあはははは」、「外に出て意外と寒くて微笑する」

感想
山が山らしい。
切れ目が無いのが良い。
おじいちゃん→風→おじいちゃんの流れが自然で面白い。

うまキンカン
朗読
「お外はね 風がザワザワ笑ってる」
「写真から笑顔を見せる地縛霊」
「風の日は緑のささやき笑ってる」
「あかいみだ ベロベロベーと笑ってる」

身体表現
「お外はね 風がザワザワ笑ってる」、「写真から笑顔を見せる地縛霊」

感想
風だと思っていたら霊だったから怖い。
練習よりもドラマチックになっていた。
無駄が削ぎ落とされて見やすくなった。

15:40
やすみりえさん合流
2回目の発表

15:50
フィードバック
言葉のもう一歩奥に踏み込んだところで川柳が生かされていた。
川柳を繋げることによって別の物語性が出てきて面白い。
表現は自由なんだと思った。
抽象的な表現をあっさり出来ていた。
身体化することによって風景が具体化され、一つの川柳を様々な捉え方ができた。
皆積極的で楽しかった。
他、多数。

16:05
クールダウン
息を吸いながら体を上に伸ばす、吐きながら戻す。
息を吸いながら体を上に伸ばす、吐きながら右に倒れる。
息を吸いながら元に戻す、吐きながら左に倒れる。
息を吸いながら体を横に広げる、吐きながら戻す。

16:10
終了

100306 川柳指導者養成ワークショップ所見

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作成 川口大介 西舞鶴(京都)

川柳を使ったワークショップ。
はたしてどのようなものになるのかと、期待と不安でいっぱいでした。
しかし、想像していたものより、はるかに素晴らしいものでした。
参加していただいた方が、非常に積極的で、チャレンジ精神に満ちていたことが原因の一つであると考えられます。高齢な方も、臆せず、一生懸命に取り組んでいただきました。体力的に多少ハードなこともありましたが、汗をかきながら、自分がいいと思えることを精一杯体現する姿は、とても美しく、感動すら覚えました。
まず、ガイダンスのときは、参加者の方に、不安の色が見えました。読み聞かせ会の方だったので、『身体化』という言葉が、何かとんでもないことをやらされるように聞こえたのかもしれません。
ウォーミングアップに入り、その不安と緊張は少しずつほぐれていったように思います。最初は、段取りに手間取り、講師陣が同じ場所に固まってしまったために、参加者との距離を縮めることができませんでした。ウォーミングアップの中で位置が変わるエクササイズがあり、そこからは距離が近づき始めた気がします。
尾崎放哉の自由律俳句を使ったワークに入ってからは、参加者の見本になるよう大きく動き、発するように心がけました。参加者の方も少しずつテレが薄くなっていき積極的に取り組んでいたように思います。初見で読んだときとワークを経て読んだときの明らかな変化に驚き、感動しました。
そこから、グループでの身体化に入ったのですが、読みで自信がついたのか、スムーズにワークが進んでいきました。ハードルの高いことをやっていても、意見はたくさん出てきてグループリードしやすかったです。
一日目の締めとなる発表では、とても美しい身体表現がされ、翌日への期待をいっそう濃くしました。
二日目に入り、参加者の方に『やってやるぞ』というような気概を感じました。
ウォーミングアップを経て、前日、川柳指導者養成ワークショップで作られた川柳を使い、一日目と同じように身体化していきました。前日以上にアイデアが生まれいいものになり、午後の創作に向けて、いいステップになりました。
午後から、午前中に子どもが作った川柳を身体化していきました。参加者の積極性・やる気は変わりませんでしたが、疲れが目に見えてきました。しかし、身体化をしていくペースは今まで以上に早く、より高みを目指そうとする想いにあふれ、すばらしい作品が出来上がり発表会を迎えました。
発表も順調に進み、見ていただいた方からも好評でした。
最後に、参加者の方から『こんなにいい体験させていただきありがとうございました』と言われ、素直にうれしかったです。
全体を通して、もう少し進行のペースがゆっくりでもよかった気がします。身体化に対するステップも、体力的に厳しい場面が見えたので、何か違うアプローチが出来たのではないかと考えました。しかし、出来上がったものは素晴らしく、感動的で、これからも続けていくべきワークショップであると思いました。

文化庁 「言葉」に関する参加体験型事業 「川柳ワークショップ」 舞鶴 2日目 記録

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2日目 2010年 3月7日

場所 舞鶴市 林業センター

講師 長谷基弘
コーディネータ 伊藤馨
アシスタント 北村耕治
川口大介

参加者 11名(午後から1名追加で12名)

10:00
開始
ガイダンス

10:05
ウォーミングアップ 円陣で立ったまま
手足をブラブラする。
右左ジャンプ
ランダムウォーク
すれ違いざまに目を合わせる
すれ違いざまに挨拶をする

10:15
ランダムウォーク2
シチュエーションを歩く
風の強い日に風に向かって歩く
すごい寒い日
ぽかぽかして暖かい日に花が咲いているところを歩く
水中を歩く
炎の中を歩く
ゼリーの中を歩く
巨大な氷の中を歩く

10:20
丸くなって椅子に座る
浅めに座り、鼻から吸って、口から出す
吐く息に「スー」という音を乗せる。
お腹と背中に手をあてて、息が入ってくるのを確認する。
自分が出せる一番小さい無声音を出す。「んー」

10:25
川柳を読む
前日に別の川柳の創作ワークショップで作られたものを短冊で一人一枚ずつ配布する。
配布したものは、比較的読みやすいものをこちらで選んだ。

初見読み
順番に一人ずつ初見読みをする。(裏返しておいてめくって読む)

身体化エクササイズ
立って、一番小さい声で読む
手をぶらぶらさせながら読む
体を振り回しながら読む
歩きながら読む
顔より上に短冊を持って読む
何かを指さして読む
非常口
鈴木さん
窓の外のまるさ(窓の外に見える佐藤商店の看板)
天井
いろんな人に言う
いろんな物に言う
書かれている情景を作って読む
読む度に違う場所に変えて読む
人に挨拶して読む

10:40
二度目の読み
円陣になって一人ずつ読む
反対側の人に聞こえるように読むこと

フィードバック
変化したところを話しあう
読み方が変わった。人が感じられるようになった。読み方が明るくなった。など。

10:50
グループ分け
こうじ(北村耕治以下こうじ)グループとぐちゃ(川口大介以下ぐちゃ)グループにわけた
(身体化のエクササイズ中に振り分け、名前はワークショップネーム)
こうじ むらた ただ こんの きむら たきむら
ぐちゃ いかだ いちせ たけだ きたかた ますいけ みなみ

各チームに一つずつ川柳を配る。
こうじ 引き出しの奥で手招きする悪魔
ぐちゃ 引き出しの中から声がもれてくる

10:55
川柳をシーンにする
30秒から1分程度

11:05
発表

11:10
講評
詩的な終わり方がいい。読み方もうまくなっている。声の音量のバランスを考えてみよう。体に対して素直に読むのがいい。など。

11:20
川柳を追加してシーンを作る
こうじ 引き出しの奥で手招きする悪魔 + 桜咲く空の引き出し涙する
ぐちゃ 引き出しの中から声がもれてくる + 引き出しの初恋揺らり五年生

11:35
発表&講評
間がいい。
作ったものが手を離れて、世界が広がっている。
人の体によって、表現されるというのが初めて。
余白、余韻があるともっといい。
(川柳ワークショップ参加者数名と講師のやすみさんが見学に来てくれました。)

12:00
休憩 1時間

13:00
午後の部 開始
ガイダンス
ウォーミングアップ

13:10
創作 1
(午前中の子供向けの川柳ワークショップで作られたものから抜粋で行った)
こうじチーム はなしてて おおわらいして せきがでた
ぐちゃチーム さいている たねがいっぱい わらってる

13:20
発表&講評 1
はじめとおわりがよい。
コンテンポラリーダンスのよう。
抽象化が上手にされている。
作ったシーンの前後が感じられるようにできるとなおいい。

13:40
創作 2
さらに川柳を追加してシーンの創作を行う
こうじチーム
はなしてて おおわらいして せきがでた + よるのほし わたしがすきな ほほえみだ
ぐちゃチーム
さいている たねがいっぱい わらってる + ごりらはね わらっていても 気づかれず

13:50
発表&講評 2
よみ間違いはきにしなくていい。
見た目を整えたほうがいい。
関係が見えるようにすればなおいい。

14:00
休憩 10分

14:10
創作 3
さきほどの講評を元にブラッシュアップする

14:25
発表 & 講評 3

14:45
本番のためのガイダンス
本番は一人一句ずつ身体化して読むことを説明
川柳を配布

14:50
初見読み

身体化の作業
(好きな身体化の方法を使う。特に指示はしない。)

14:55
二度目読み

15:00
リハーサル
本番どおりに流してやる。
ぐちゃチームが先行。
一列に並んで読み、その後スタンバイして、身体表現にしたものを発表
こうじチームと入れ替わる。
一列に並んで読み、その後スタンバイして、身体表現にしたものを発表
15:10
解散

15:30
発表会
開会の挨拶
国語調査官 鈴木さんの言葉

15:40
開始

15:50
ポストパフォーマンストーク
やすみりえ、鈴木仁也、長谷基弘

抜粋
いいものが見られた。
期待どおり、伝わってくるものが出来上がった。
子供でやったらどうなるか楽しみ。
川柳と場面創作の相性がいい。
舞鶴では一つのお題でバリエーションが豊かなものが出来上がってきてる。
十七音しかないのではなく、十七音もあるんだな。
想像力で膨らましやすい。
読み方をどうこうではなく、ひたすら読むだけ。
俳優は舞台上に居ることが大事。
子供が作ったものを大人が一生懸命やることが大事。

16;10
終了

16:15
フィードバック
楽しかった。
はじめてのことだった。
普通の読み方の講座なのかと思っていた。
作品創作のときにいろいろ助けられた。
言葉との出会いを大事にすることで何かが見えてくる。
朗読、読み聞かせとは違うようで似ていることが多い。
あくまで人間を読んでいるので、人間が主役。
読み手を見せるために読む。
他、多数。

16:45
クールダウン
輪を小さくして、右の人の肩をさする、たたく。
逆を向いて、左の人の肩をさする、たたく。
深呼吸。

16:50
終了

所見 伊藤馨 コーディネーター
今回のワークショップは全国でも初の試みとしておこなわれたのだが、それに違わぬよい作品が出来上がったように思う。参加者のすばらしいパフォーマンスと、川柳のワークショップでよい句が上がってきたことが作品創作にとって重要だったように思う。
また、川柳という一つの創作をスターターとして、演劇的な身体表現の創作をすることで、人間そのものの中にある面白みや、おかしみがにじみ出てきてくる。
これは、演劇も川柳もどちらも「人間」そのものがテーマとして存在するためだろう。
今回は試金石としての部分で完全に分かれた状態での創作を行ったが、今後はこの川柳と身体表現までを一つの道筋で結んだものを作ることを視野に入れていきたいと思う。
紙に書かれた言葉を身体を通して読むということが、川柳を立体化させ、そこに読む人の人生が融合した形で表現される。何層にも重なった表現が作れるのは、川柳や演劇が持つ、想像させるという部分の余白の部分もまた似通っているということもある。
今後、川柳とのコラボレーションしたワークショップをより深めていきたいと思わせてくれる、可能性を大きく見せてくれるワークショップになったと思う。

所見 北村耕治 アシスタント
二日目。あいさつや口調から、昨日を経て講師陣に対する信頼が厚くなっているのを感じました。川柳を用いた集団創作は、遊び方を知ってからはそれぞれの意見が多すぎて、講師側が置いていかれるほどでした。飛び入り参加があったり川柳作家のやすみりえさんからコメントを頂けるなど、参加者にはよい刺激が続き、発表会では、短い創作期間だったにも関わらず講師側の予想を超える成果を残しました。
参加者達の体力に不安があったため、丁寧な進行を心がけた2日間。繰り返しの作業が増えましたが、かえって一つ一つの要素により理解を深め、参加者の心に川柳や演劇に対して新鮮な興味が生まれたようでした。

文化庁 「言葉」に関する参加体験型事業 「川柳ワークショップ」 舞鶴 初日 記録

文化庁 「言葉」に関する参加体験型事業 「川柳ワークショップ」 舞鶴 初日 記録 published on 文化庁 「言葉」に関する参加体験型事業 「川柳ワークショップ」 舞鶴 初日 記録 へのコメントはまだありません

川柳指導者要請ワークショップ 舞鶴 100307

記録作成 terrace 伊藤馨

初日 2010年 3月6日

場所 舞鶴市 林業センター

講師 長谷基弘
コーディネータ 伊藤馨
アシスタント 北村耕治
川口大介

参加者 10名

15:15
開始時間より15分送れて開始。
開始の挨拶

※年配の方が多かったことと、会場の床が冷たいので椅子を使うことにした。
椅子を使って円陣で座る。
椅子の段取りがうまくいかず、講師陣が固まることになってしまい、進行に手間取った。

ウォーミングアップ
椅子に座ったまま、足首を手前に倒し、上半身を前に倒す
手足をブラブラする
指折り
親指から小指に向かって指を折って行き、小指から開く
親指から小指に向かって指を折って行き、また親指から開く
右手の親指から折って行き、小指まできたら、左手の小指から親指まで折って行く、親指まできたら逆方向に開いていく
右手の親指から折って行き、小指まできたら、左手の小指から親指まで折って行く、親指まできた左手の親指から開いていく

ランダムウォーク
椅子を少し広げて丸をつくり、その中を隙間のないように歩く
二人一組
手を叩いたら、二人一組を作る
1,2,3ゲーム
交互に1、2、3と言って行く
1のかわりに手をたたく。パン、2,3となる
3のかわりに足を踏み鳴らす。パン、2、ドン。となる。

ランダムウォークから二人組
フローズンピクチャ
二人一組で指示した物体になる。
冷蔵庫
洗濯機
扇風機
壁掛け時計

五人一組になる
(伊藤振り分け、アシスタントも各チームに入る)
ヨット
カニ
七分咲きの桜

※コミュニケーションゲームくらいから、受講者に少し疲れが見えてくる。
フローズンピクチャは形をキープするのが難しかった。
全体として固い印象。
五人一組になってからは、少しだけ固さが緩んできた。
体力的な部分に心配が見える。

休憩

尾崎放哉カードを使った言葉の身体化のエクササイズ
円陣で椅子に座り、カードを配る
配られてもまだ見てはいけない。
句以外の言葉を発してはいけない。
ひとりずつ順番に初見で読む。
言葉がおさまったら、次の人が読む。を繰り返し全員が読む。
言葉の身体化
配られたカードを持って、指示の通りに読む。
歩きながら。
出せる限りの小さな声で。
上に向かって読む。
誰かに向かって読む。
モノに向かって読む。
身体を使って、形を作りながら読む
言葉の意味や語感で区切りながら、形を作り読む。
すぐに納得しないで、一番自分にしっくり来る形を探しながら、丁寧に読む

再度、円陣になって読む
感想を言い合う。

※変化したという意味あいの言葉が多かったが、内容的に文節的な読みにまだひっかかっている感じが残ってる。

グループ創作
全体を2グループに分ける(伊藤振り分け、アシスタントも各チームに一人ずつ入る)
グループで代表の句を一つ決める
句を30秒程度の場面にする

北村グループ 「なんと丸い月が出たよ窓」

川口グループ 「宵のくちなしの花を君に見せる」

※北村グループは比較的さっさと形を作っていく。
川口グループは句をどうするかで悩んで身体を動かし始めるのが遅れた。

発表
北村グループ 家が立っていて、大きな窓がある。そこに外から扉を開けて人が帰ってくる。椅子に座り、窓の外に月を見つけて窓により眺める。そこで外に居る人が句を読む。
川口グループ くちなしと月が出ていて、そこに二人の人物が手をつないであらわれる。月が「宵の」、くちなしが「くちなしの花を」、二人のうち男が「君に見せる」という。二人去っていく。

※どちらもあじわい深い感じになっている。北村グループのなんとも言えない寂寥感と、川口グループの恋愛の淡い夜の風景が好対照だった。
一人が読む、割って何人かで読む。と手法も違っていた。

フィードバック
質問などを含めて感想を言いあった
北村グループの扉が悲しい感じで閉まるのがいい。
カップルの顔が見たくなった。
モノに向かって読むというのが新鮮だった。

※短時間の割には作品として、それなりのものが出来上がったように思う。
作品の抽象化がまだ足りないので、もう少し言葉を抽象化して捉えられるともう少し飛躍が出来そうに見えた。
質問としては、どちらかというと言葉についての質問が主で内容に向かってどうかという点がフィーチャーされていた。
モノに向かっていうということがとても新鮮だった。そうだ。
読みきかせでは技術面が中心になるが、今回は言葉を対象に投げるということと、その言葉で自分の中にどう変化が起きるかが中心なのかという点が異なる。

所見 伊藤馨 コーディネーター
全体として、それなりに高齢の方が多かった。高齢者は気持ちは前に向かっているが、そこに身体がついてこないということが多い。
ここをより考慮し、進行をゆっくり目に進める。進度が速すぎないか注意をよりする必要がある。
参加者の方々は思いのほかシャイだったので、雑談のような形であれば言葉が出てくるし、身体だけ使うときは率先して動いてくれる。
が、反面、いざ何か言うとなると言葉や身体が動かない場面があるので、そこを上手にガイドしていく必要がある。
今回のワークショップでは、進行のスピードがやや速かったように思う。
以後、進行のスピード感はより注意した方がいい。
ただ、今回の受講者の反応はビビッドに反応していて、意欲もあり、身体的な耐久力という点以外は、非常にやりやすいメンバーだった。
特に、進行でひっかかりがあることについては、受講者同士で相互補完で動いてくれていたので、スムーズに進行ができた。
進行の受講者に対しての負荷のかけ方は今後も課題になるものだ。

所見 北村耕治 アシスタント
初日。開始前に参加者達と二言三言かわした際は、やや内向的な印象を受けました。しかし、ウォーミングアップが始まると徐々に表情もほぐれ嬌声も聞け、前向きな参加意欲が見られるようになりました。疑問や戸惑いを覚える度、実践をもって何かを理解しようとする様は好感を持てましたが、指示を出す前から動き出してしまう気の早さが気になりました。