劇場で公演をやろう。ただし金はない。

Twitterで、一連のツイートから、人が増えたので3年ぶりにブログを稼働してみる。

始まりはこれ

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劇場で公演をやろう。ただし金はない。

ということで、最低限どれくらいかかるのか考えてみる。 仕込み1日本番4日7ステージ。キャパ100くらい。 8割計算で560人。チケット代を4,000円。 224万円の収入見込み。 支出、劇場費が40万。音照舞制に50万。 稽古場に5万円。諸雑費10万。 うーん。

さて、560人もお客を呼ぶためにはどうしたらいいのか。 手っ取り早いのは演者を増やす。 お客を持っている役者を呼ぶ。 っていうことを何十年もやってきて、未だにうまく行かない。 簡単なやり方には必ず落とし穴がある。 企画が面白くないと見に来ないものね。 広告宣伝出来ないと公演が打てない。
俳優も拘束時間が長ければ長いほど、生活が苦しくなる。 その公演でバックされる額には限界がある。 稽古場を押さえられるのも、この金額だと2週間くらいが限界になる。 そもそも、この公演、予算がないのでほぼ舞台に美術がない。 さぁ。どうする。ということになってくる。
持ってるリソースの切り売りをしながら、公演を打ち続けるのは限界がある。今までリソースの切り売りをしてきたからこうなっているとも言う。 お客が来るような看板を持てていることが大事になってくる。 さて、その看板を誰が持つのか。っていう話になってくるわけなのだが。
民間の劇場はほぼ貸館なので、玉石混淆で公演を回してもらわないと生きていけない。 劇団も手持ちに合わせて公演を打つしかない。 どこに行ったらどういう公演があるのか、よくわからない。そんな状態で新規の顧客を獲得するのは難しい。取り合いを繰り返して、徐々に劇場が倒れていく。
公演を打つ人たちではなく、場所が先に無くなって行く。場所を持っている人たちで資金がある人たちは生き残っていくだろうけど、そうではない人たちは淘汰されていく。つまり、公演をする場所が無くなって行く。特に民間の劇場は脆弱なので、場所が消えていくことになる。
地域ごとにある公共の中核劇場は、観る人の方しか向いていないのでプレイヤーを大事にしない。必然的に地域での演劇は衰退する。鑑賞者を集めることに集約した結果。プレイヤーは減り、鑑賞者も減る。ルーティンが起きる。というか起きている。
ちょっと、地方の話になったので、東京の話に戻す。 公共の劇場は増えているけれど、鑑賞者を集めることは考えても、プレイヤーを増やすことは考えていないし、スタッフは民間で勝手に増えるものと考えられているようだけど、実情はそんなことはない。ジリ貧である。
そもそも、売れた人たちにお金を配って、文化事業を支援しています。というのは、文化のことが何一つわかっていない。競馬で言えば、実績がある馬の単勝買いみたいな初心者みたいなことをいつまでも続けているわけだ。売れたやつは客が集まるんだから、勝ち馬に乗って仕事をした気になるなよ。
しまった本音が出た。 それはそうとちゃんと劇場にコミュニティを作った方がいいし、劇場がコミュニティを作る余裕を作って行かないと演劇に親しむ文化なんてのは金輪際来ない。って話だったりもする。 誰か一人が頑張ってなんとかすることではなくて、みんなでなんとかすることだと思う。
僕ら、小劇場に関わる人たちはスタッフだろうが、演者だろうが、劇場支配人だろうが、ジリ貧もいいところまで追い込まれつつある。今、なんとかなっているところもいつかは終わっていくことになる。自分だけはいい。っていう時代は終わらせていかないと。
思いつくまま書いたので、特にオチは特にない。 ただ、このままじゃまずいな。って2001年くらいにロンドンで思った時の状態がずっと悪化して、今があるし、あの時に危惧していたことがそのまま現実になっている。どうしたらいいのか。わからない。
わかっているのは、小劇場の世界でもいつでもだれでも代替可能なシステムが作られなくてはいけないし、人に頼った状態を続けていてもゴールがないってことだ。